居間のドアを開けた瞬間


406 :あなたのうしろに名無しさんが・・・ :02/05/17 06:30
小学校低学年のころ、
妹とふたりで外から帰ってきて、居間のドアを開けた瞬間、
一瞬、居間の壁のうち、庭と道路に面しているふたつが透き通っていて、
部屋の真中には火柱があがっている・・・ように見えた。
次の瞬間には見えなくなっていたんで、気にしていなかったけど、
うしろからおばあちゃんが来て、「不動さんの巡回や」って言ったのにビクッとした。
「それ何?なんで(そんなこと言うの)?」と何度も聞いたけど、なんだかハッキリとは答えてくれなかった。
夕食時に妹が、「きょう、お部屋が燃えてるかと思ったー」って言ってるのを聞いて、もいっかいビクッとした。

それだけ。怖くなくてゴメンナサイ・・・

白石川での渓流釣り


383 :なぜか釣り版からの転載 :02/05/11 06:07

550 :仙台味噌:02/05/10 14:28
去年の話なんですが・・・

梅雨の終わり頃、白石川に渓流釣りに行った時の事。
4時位に現地に到着し準備を終え、さぁ川に入ろうとした時に、川の方から子供の声が聞こえるんです。
薄明るくなりつつあるとはいえ、午前4時に子供が川遊び?と思い、堰の上から覗いてみると、
海パン姿で子供が1人泳いでいました。
年頃は小学校の低学年位なんですが、なんでこんな時間に??と不思議に思い、暫く見ていました。
2~3分位した頃だと思うんですが、その子が急に泳ぎを止め、すくっと立ったと思ったらこっちを見たんです。
いや、見たと言うより『向いた』と言った方が良いかもしれません。
なぜかと言うと、その子の顔から胸にかけてざっくりとえぐりとられていて、
目、口、鼻、という顔のパーツが無かったんです。
うわっ!やばい!と思い車にひき返し、すぐさまその場を立ち去ったんですが、
橋を渡るときに、恐いもの見たさであの場所を見たんです。
そうしたらまだ居たんです。
体育座りして淋しそうにしている男の子が・・・。
なんかね、凄く可哀想になったんですよ。
ず~っと1人で泳いでいるのかなぁってね。

私はたまにこういう体験をするんですが、何時もは恐いばかりで嫌なんですが、
この時は自分の子供と年恰好が同じ位だったせいか、涙が出そうな程悲しい気持ちになった事をい思い出します。

告別式の帰り


381 :あなたのうしろに名無しさんが・・・ :02/05/10 16:36
可憐な女子高生だった頃の話です。

中学時代に親しかった友達が亡くなったので、中学の時の担任の先生と一緒に告別式に出た帰りのことでした。
私は友達が亡くなったことがショックで、泣いたりぼーっとしたりしてたんですが、
運転席の先生は頻りに助手席の私に手を伸ばして、肩を抱いたり膝に触ったりしてました。
最初は慰めてくれてるんだなと思いましたが、次第に触り方が執拗になってきて、
太腿を撫でたりわきの下に手を入れてきたりしたんです。
ふと気付くと車は住宅地から離れ、人気のない休耕田の中を走ってました。
「なぁ、お前ももう大人だよな?実は先生、前からお前のことを…」
そんなようなことを先生が言い始め、田んぼの中にぽつんと生えてる竹林の影に車を止めて、
突然私の手を握ってきました。
私はまだ先生の意図がわからず、先生が止めた竹林の中にお墓があることだけが気に掛かってました。
「先生、ここお墓ですよ」
「えっ」
先生は少し驚いたように竹林を覗き込んで、ぎょっとしたような顔をしました。
「T山!?(亡くなった友達の苗字)」
短く叫んで、先生は慌ててエンジンを掛け直して住宅街へ車を走らせました。
私には何も見えなかったけど、先生にはお墓の中になにかが見えたようです。

家に戻って冷静になってから、私は自分が危ない目に遭う寸前だったことに気付きました。
私は幽霊は信じてなかったんですが、このときばかりは友達が助けてくれたのかな、と思いました。

深夜のコンビニ客


377 :シャッター :02/05/10 02:07
どっかで読んだか聞いた話で、確かこんな感じの話。

俺、夜のコンビニでバイトしてた時に結構いろんなことあったけど、
やっぱ『貞子』が一番印象に残ってるなぁ・・・。
貞子って言っても『リング』のじゃ無くて、
コンビニに来た女の客の『あだな』なんだけどさ、俺たちが勝手に付けたんだけどね。

その貞子なんだけど、毎晩23時過ぎにきて何一つ買い物もしないで、1時頃帰っていくんだ。
決まっているのは23時半、24時にわざわざカウンターまで時間を聞きにくること。ただそれだけ。
それ以外にはずーーーっと俯いてブツブツ言いながら店の中をグルグル歩き回ってるの。
それだけでも結構気持ち悪いっしょ?

んで、その貞子が問題を起こしたんだ。
その日初めて時間を聞く以外に言葉を喋った。「トイレを貸してくれませんか?」って。
気持ちは悪いけど、今まで特に問題を起こしたこと無かったから「どうぞ」って貸したんだ。

その後仕事が忙しくなって、貞子のこと忘れてたんだけど、
他の客から「あの、トイレで変な音してますよ」って言われて、
あっ貞子がまだ入ってるのかと思いながら、「すみません、すぐ確認します」と言ってトイレへ向かった。
トイレの前に立つと、中からカン ゴン ドンっと変な音がしている。
「大丈夫ですか?」と声を掛けても返事が無い。うめき声らしきものも聞こえる。
こりゃヤバイかもっ・・・て「いいですか?開けますよ!?」と言って、
ちょっと待っても返事が無いので、カギを使ってドアを開けた。


378 :シャッター :02/05/10 02:07
中を覗いて腰が引けた。
貞子が言葉にならない声を上げながら、自分で壁に頭を打ち付けてたんだ。
もう顔は血だらけ。壁とかいろんなとこにも血がついてんの。
よく見ると白目剥いて、よだれ垂らして、服もはだけちゃってた。
もう一人バイトを呼んで引きずり出して、「大丈夫ですか?」って声を掛けながらしばらく経つと、
何事も無かったかのように貞子は帰っていった。
店長に翌朝経緯を話すと、もし貞子がまた来たらシャッターを下ろせってことになった。
「もう閉店ですからって言ってシャッターを下ろせ」と。売上が落ちても問題が起きるよりは良いと。

翌日も貞子は来た。怪我してんのに来た。
他の客に謝りながら一度店を出てもらい、
貞子に「すみません、もう閉店なので・・・すみません」って言いながらシャッターを下ろすと、
意外にもすんなり帰って行った。
一週間くらい続けたら貞子は来なくなったよ。

結局あれはなんだったんだろうなぁ。
また別のコンビニで同じ事してんのかなぁ・・・。って話してくれた。

違和感のある部屋


370 :あなたのうしろに名無しさんが・・・ :02/05/10 01:10
都内で一人暮らしをしているものですが、ちょうど4年前くらいに不思議な経験をしました。

その日は結構遅くまで仕事をしていて、帰宅したのが午前4時を少しまわったぐらいだったと思います。
家に帰って部屋の電気をつけたんですが、なにか変なんです。
その時は何が変なのかを調べる気力もなく、とても疲れていたのでそのまま寝てしまいました。
次の日起きて部屋を見渡してみると、やっぱり何かおかしいんです。
その日も朝から予定があったので、調べる余裕もなくそのまま出勤しました。

で、その日の夜、そのおかしいと思った理由がわかったのですが、全部右利きなんです。
僕は左利きなんですが、ペンの向きとか、歯ブラシの置いてある場所とか、とにかく部屋の感じが右利きなんです。
気づいたキッカケというのが、マウスの位置が反対になっていて、あれ?と思い、
色々見渡してみたら、そんな感じで物が置かれてました。

で、オチがあるんですが・・・


373 :370です :02/05/10 01:20
嘘っぽいので書くのためらったのですが(実話です)。

右手が気になって1週間くらい経ったころに、何気なく二の腕を触ったのですが、
ちょうど腕と背中の付け根あたりにしこりがあるの発見して、
普段なら放っておくのですが、そんなことがあった矢先のことだったので病院に行きました。
で、医者から「発見がおくれてたら腕を切断しないといけなかった」と言われびっくりしたのを覚えています。
後から思ったのですが、うちの祖父が教えてくれたのかなと・・・
うちの祖父も左利き(生前)。

海での夜釣り


280 :あなたのうしろに名無しさんが・・・ :02/05/01 00:51
弟の体験。

だいぶ昔のことになる。
そのころ小学校低学年だった弟は、父に連れられて夜釣りに行った。
切り立つような崖の先端近くに父と並んで座り、暗い海面に釣り糸を垂れていた弟は、
だんだん辺りが白く明るくなってきたことに気付いた。
「なんだ、もう朝になったんだ」
夜の海のあまりの暗さに、少々不気味さを感じていた弟はほっとした。
ふと正面を見ると、今まで何もなかった空間に一本の道があることに弟は気付いた。
道は弟の足元から優しい光の中へと真っ直ぐに続いている。
なんだか道が自分を誘っているようだった。
弟は立ち上がって、何歩か前に踏み出した。
すると突然、腕をつかまれてすごい勢いで後ろに引き戻された。同時に父の声。
「何をやっているんだ!」
我に返った弟が辺りを見回してみれば、周囲には夜の闇。眼下には黒い海面が見える。
あの道はもうどこにもなかった。
弟は転落まであと一歩というところだったそうだ。
自分が見たもののことを弟が父に話すと、父は妙に納得したように「そうか」と言ったらしい。

当時の私は、不思議なこともあるものだと思っていたが、
十数年たった今では、ただ単に弟が寝ぼけただけではないのかと思っている。徹夜で夜釣りだし。
弟もいまだにその時の道のことを覚えていて、
「幻覚だったかも知れないけど、本当に歩きたくなるような道だったんだ」と言っている。

田舎の空き地


257 :あなたのうしろに名無しさんが・・・ :02/04/29 10:36
高校生の頃に霊感が一番ピークだった弟の話。

弟には小さい頃から霊感の強い友達がいる。(仮にAとする)
その日、学校帰りにAの家に遊びに行く途中の事。
なにぶん田舎なもので、近くにコンビニすらない。
しかし、家には飲み物もないということで、自販機で買うことに。
その場所は、Aの家まで100㍍もない一本道の途中である。

自販機の前でAが「何にする?」と聞いてきた。弟は「コーラ」と答える。
小銭をじゃらじゃら用意して、いざ買おうとしているAの手が不意に止まった。
「ん?」と思って見ていると、Aがゆっくりと首を左手に回した。
一本道の周りは田舎らしく田んぼだらけだが、そこだけはちょっとした空き地になっている。
とにかくAはその後、すぐに弟の方を向きなおした。
その顔をみて直感した。見たな、と・・・
ヤバイと感じたが、弟も左側に目を向けた。
女だ。真っ白な着物を着ているようだが、その姿は透けている。
女はそっぽを向いていた。弟は更に目を凝らす。
どうやら胸に何かを抱いているようだ。
何かに包まれている・・・ん?赤ん坊か?そう思った瞬間、胸に抱えたそれは赤に染まった。
そして女は、少しずつこちらに首を向き始めた。
Aがその間に急いで自転車に戻ったところで、二人はその場を一目散に逃げた。

家に無事帰りついたところでAが語る。
「恨みの念がいっぱい伝わってきたな・・・」
それは弟にもわかった。
弟はあせった。あの道は一本道、帰るにはあそこを通る以外ない。
しかし、Aが見たのは初めてだと言う。
当然のようにその日は、お泊りになりました・・・。

体調の悪い店長


196 :あなたのうしろに名無しさんが・・・ :02/04/20 12:54
かなり前、化粧屋・エステの店の店に働いていた。
事情があり、店長の家に住み込みするはめになってしまった。
いつも店長は遅く出勤してきた。「頭が痛い」「体が重い」と言う。
病院に行っても、どこも悪くないと言われたらしい。
一応、知っていた霊媒師をさりげなく勧めてみた。
よっぽど辛かったのだろうか?行ったらしい。
・・・でも、追いかえされたとのこと。
玄関に入ると、その霊媒師は声がほとんど出なくなり、
「強い霊がついている、私の力では祓えない」と帰されたらしい。

私達友達三人は、ひやかしではなく霊媒師めぐりをしていた。
そこは金銭では無く、するめ・お酒を持っていけば祓ってくれた。
「色情魔の霊がついている」
三人共同じことを言われ、一人ずつ祓ってもらった。
おいおい、色情魔はないだろ。失礼だなと思っていると、友達二人は号泣している。
「何故、涙がでてくるか分からない」と言いながら号泣している。
「いいのよ。それが自然なの」と霊媒師が言った。
私は涙が出てこない。何故?色情魔が強いの?
号泣している友達が羨ましかった・・・。

店長にはそこを勧めた。
でも断られ、自分で霊媒師を捜してきた。

お祓いの日は、だんご?を作ったり、お菓子を用意したり、陰陽師の人が使うものを用意したりと、
色々用意して大変だった。他にもあったはず・・・。

霊媒師が来た。手には太鼓みたいのを持っている。
店長の他界した父親の写真を真ん中に置いて、
霊が話すことを他界した父親が聞いて、それを霊媒師に伝える・・・というやり方。
ドンドンドン・・・
太鼓みたいなのをたたき、除霊が始まった。
みんなが手を合わせている。
私はしばらくして居眠りをしてしまった・・・。
何日も前からラップ現象でほとんど寝てないからか?
となりの子に起こされた。


212 :あなたのうしろに名無しさんが・・・ :02/04/22 23:13
友達はうたた寝してた私を親切に起こしてくれた・・・と思っていたが違っていた。
「○○ちゃん、あれ見て」
指さしたのは、店長の父親の写真。
霊媒師が何か言うのと同じタイミングで、写真の口が動いている。
その子も私も除霊が終わるまで、耳では霊媒師の言う事を聞き写真を見ていた。
最後まで口は動いていた。
除霊が終わる頃には、笑顔?笑ってる?口元だった。
「これを、すべての部屋の入り口に貼るように」と御札みたいなのを置いて、霊媒師は帰って行った。
セロハンテープですべての部屋に貼って、5分もしないうちに・・・。
セロハンテープが悪かったということにして、画鋲で貼ることにした。

店長に憑いてた霊は、そこの土地に前に住んでいた人だったらしい。
お婆さんと孫。
憑いてはいないが、家の周りにはその頃の近所の人の霊もかなり居たらしい。
そのお婆さんは蛇を奉って?いたらしく、近所の人もお婆さんと一緒に蛇を奉っていたらしい。お婆さんの応援?
お婆さんは『蛇を奉ってほしい』がために、店長に憑いたらしい。
私は商売人じゃないから分からないが、狐や蛇を奉る人がいるらしい。
最悪な事に社長は狐を奉っていたがために、お婆さんの願いは叶える事が出来なかった。
蛇は水が好きだから庭に池を作れば良い、ということも出来なかった。
仕方なく毎朝水をまき、供えることにした。

除霊も終わった。お父さんの写真も笑顔?だった。すべてが終わった・・・。
でも終わってなかったのかも知れない・・・。


214 :あなたのうしろに名無しさんが・・・ :02/04/22 23:45
店長が不思議な行動をした。
風呂場に行って水を浴び(まだ、水が冷たいのに)、玄関の方向に這っていくのだ。
不気味だった・・・。
本人は何をしたのか覚えてない。

こんな所に居たくない。
私は「母親の具合が悪いので、自宅に帰ります」と言い帰してもらい、
ついでに写真を見た子と一緒に仕事も辞めた。

採用面接


121 :75 :02/04/02 20:58
これは俺の知り合いの友人の話です・・・。

今から話す出来事の起こった町では当時、物騒なことに連続放火事件が発生してまして、
死人は今のところなく全てぼやですんでいたものの、危険なことに代わりはない。
火をつけられる家は、一般家庭も会社も空き地も節操がない。
そういう前提の元、読んでくださいな。


122 :75 :02/04/02 20:58
で、その知り合いの人の友人は小さな会社をやっておりまして(従業員50人弱)、当時、従業員を募集中だった。
募集していたのは経験者(新人じゃなくてね)。即戦力が欲しいと言うことで。
で、その会社にとある人が「雇ってくれ」と言ってやってきました。
後日面接をするということにして、面接の日取りを決めたそうです。

面接の時に履歴書を見てみると、その入社希望の人はスキル経験等は問題なかったのだが、
困ったことに以前いた会社が取引先の会社だった。
「雇いたいのはやまやまなんだけど、
 こういう状態で雇うと、取引先に『おまえの会社が引き抜いた』と言われかねない。
 申し訳ないが雇えない」
と言って断ったそうです。
入社希望の方も納得したらしく、帰っていったそうです。


123 :75 :02/04/02 21:54
で、そのこともすっかり忘れた数ヶ月後、会社に刑事さん達がやってきたそうな・・・。
「○○という人を知りませんか」
刑事はそう言った。
忘れもしない、それは数ヶ月前面接をした人の名前。
知ってます知ってますと事情を説明すると、刑事さん達はこう言った。
「実は彼は、ここのところ続いてる連続放火犯だったんです。
 彼は自分に恨みがある会社とか、知り合いとかの家に放火をしていたそうです。
 カモフラージュのために、関係ない場所も織り交ぜながら。
 彼が面接に行って断られた会社も、放火の被害に遭ってます」
だがその社長さんの場合、断る理由が彼の人となりとかそういうのではなく、
『前の会社が取引先だから』という、彼にとっても納得できる理由だったから放火されなかったとのこと。
彼が面接に行ったほかの会社はほぼすべて放火されていたそうだ。
もしあの時ほかの理由で断っていたら・・・下手をすると社長家族は死んでいたかもしれない、と。
それというのも、彼の会社は同じアパート内に自宅もあったからだそうで、
その上、その会社の隣には小さな町工場もあった。(なんかプロパンとかたくさんあったらしい)
引火していたら爆発もまぬがれなかったそうです。

社長さん曰く、「全然放火魔なんかには見えなかった」そうでございます・・・。

誰もいないはずの教室


136 :早起きは三文の得 起 :02/02/15 00:19
小学校六年の二学期の途中に地方へ引っ越した。
転校をするのは初めてのことだった。
不安に思っていた僕に最初に話しかけてきたのは、T君というクラスのリーダー格らしき人で、
いろいろと親切に面倒を見てくれたのだけど、
他人の悪口を言ったり、〇〇とは話をしない方がいいよとか命令したりするので、
正直少しうざいと思うようになっていた。
学校は家から歩いてすぐの所にあった。
前の学校は電車で一時間もかかる所だったので、早起きをする習慣がついていた。

転校して三日目くらいの朝、
家にいても何もすることがないので、かなり早目だけど登校することにした。
既に先生か職員の人が来ているらしく、門は開いていたけれど、校舎にはひと気が無かった。
当然一番乗りだと思って教室の扉を開けてみると、男の子が一人先に来ている。
僕は驚いて立ち止まった。
その男の子の座っているのが、僕の席なのだ。
自分の勘違いかと思って何度も確かめてみたのだけど、やっぱり間違いない。
「あのさ、そこ僕の席だと思うんだけど…」
遠慮がちにそう切り出すと、男の子はにっこり笑って「あっごめん」と言い、すぐに席をゆずった。
まだクラス全員の顔を憶えていなかったので、同じクラスの奴が席を間違えたのだろうと思い、
そのことはすぐに忘れてしまった。


137 :早起きは三文の得 承 :02/02/15 00:22
一週間くらい経って、また早起きをして学校へ出かけた。
教室の扉を開けると、この日もこの前の男の子が先に来ていた。
しかもまた僕の席に腰かけている。
この時には、この子が同じクラスの奴ではないとわかった。
「あのさ…」と声をかけると、この前と同じように「ごめんね」と言い残して教室を出て行く。
入る教室を間違えたのだろう、そそっかしい奴がいるもんだ。とそう思った。

それからまたしばらくして、早朝の誰もいない廊下を歩いて教室にたどりつくと、
やっぱり同じ男の子が僕の席に座っている。
今度はさすがに何か変だなと思った。
机の脇には、わりと目立つ色をした前の学校の校章入りの手提げかばんが掛けっぱなしにしてあったので、
普通に考えて席を間違えるとは思えない。
それに教室を間違えたのなら自分の荷物を持っているはずなのに、男の子は手ぶらなのだ。
僕は男の子のすぐ近くに立って、わざと声を掛けずにいた。
男の子はことさら無視するという風ではなく、かといってこちらに気づいた素振りは見せずに、
ただ居心地悪そうにじっとうつむいている。
とうとうしびれを切らして僕は声を掛けた。
男の子は悪いことをしている現場を見つけられたみたいな顔で席から滑り降り、
「ごめんね」と虫の鳴くような声で謝ると、教室から走り出て行った。


138 :早起きは三文の得 転 :02/02/15 00:26
その日の休み時間に、「朝学校に来たら何か変な奴がおれの席に座っていてさー」と話をした。
「それってどんな奴だった」
T君が尋ねた。
「えーと、背はかなり小さいほうで、何か弱そうな感じだった。おどおどしてるっていうか。
 髪の毛はわりと長めで、あと首のここのところに赤っぽいアザがあった。十円玉くらいの大きさの……」
ひいっというような悲鳴を、そばで聞いていた女子があげた。
T君が僕の胸のあたりを殴りつけた。
「お前なんだよ。ふざけんなよ。どうしてそんな嘘つくんだよ」
真っ青な顔でそう言うと、教室から出て行った。

僕が転校してくる三ヶ月ほど前に、N君という男の子が自分の住んでいるマンションから転落死した。
僕の机はもともとそのN君が使っていたものだったのだ。
僕が転校して来る前日までは、その上に花瓶が載っていたそうだ。
警察は事故死と判断したが、あれは自殺だったのではと生徒たちの間で噂になっていた。
N君がTを中心とするグループからひどいイジメを受けていたことは、みんなが知っていた。
四年生くらいからずっと続いていたらしい。
N君の死を担任が報告した時、
「やった。これであいつのうっとうしい顔を見なくてもすむ。すげーうれしー」
とTは言い放った……


139 :早起きは三文の得 結 :02/02/15 00:30
僕が早朝の出来事を話したその日から、次第にTはクラスの中で孤立するようになっていった。
あの時のことがきっかけになったかどうかはわからない。
ただ単にみんなが大人になって、
むやみに威張り散らしたり、陰口を叩いたりすることの低劣さに気づいたのかもしれない。
卒業式の頃には、Tはクラスの誰からも相手にされなくなっていた。

あれから僕は寝坊をするようになって、教室に一番乗りすることはなくなってしまったけれど、
N君の姿は何度か目にした。
体育館の隅っこに立っていたり、校舎の窓から校庭を見下ろしたりしていた。
今考えると単なる見間違いかもと思わないでもないけど、その時は妙な確信があった。
ああ、またN君が来ているな、と。(僕のほかに同じような目撃者がたくさんいた)
退屈そうな、居心地の悪そうな様子だった。
小さな子供が、遊びの仲間に入りたいのに自分から言い出す勇気がなくて、
声を掛けてもらえるのをじっと待っている、とそんな風にも見えた。
恐いと思ったことは一度も無かった。

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